中国在住、アラサー男子のShuです。
20代後半から体力の衰えを感じ始め、ちょっとずつちょっとずつ鍛えていますが、こちら中国も日本と同様に健康ブームの到来で、至る所にスポーツジムができています。
Yahoo!ニュース:中国のフィットネスクラブ会員が7000万人に 「筋力アップ」「体形維持」が人気
https://news.yahoo.co.jp/articles/ee0b98e1d8156b9128902cceebfd81809f918a3c
最近、新しいスポーツジムに入会しましたが、ここでもまた中国名物の「交渉&一悶着」がありましたので、ご紹介します。
はじまりはふらりと立ち寄った近所のスーパー
知人から、家の近くに便利なスーパーマーケットがあることを聞き、ちらっと立ち寄ったとのですが、ふと上層階を見てみると、ナイスボディーな男女の写真がデカデカと張り出されているではありませんか!
まさにそれが、上海を中心に140店舗展開の規模を誇るスポーツジム「一兆偉徳(Yí zhào wěi dé)」だったのです。
公式サイト:http://www.1012china.com/web/index.html
ちょっと見学のつもりで館内を覗いてみると、20台ほどのランニングマシーンに、筋トレマシーンも20台ほど、フリーウェイトも充実!
さらに、ストレッチゾーン、2つのクラスレッスン室、暗闇バイクエクササイズの部屋まであり、極めつけはプールとサウナも完備という完璧な設備でした。
上海城市旗舰会所の様子(公式サイトより)
あまりの充実っぷりに呆気に取られていると、あれよあれよとテーブルに案内され、申し込みの段取りになりました。
会費の交渉開始!「今日だけ安い」は常套句
施設や他のトレーニーの雰囲気を見て、かなり納得のいく環境でしたので、あとは料金次第で申し込みをすることにしました。
念ために撮影した交渉メモ
初めに先方が提示してきた金額は以下の通り。

2年契約 6,000元(約102,000円)
※一ヶ月あたり250元(約4,250円)
以前通っていたジムでもそうだったのですが、中国では今回のような大手ジムでも会員料金に決まった金額はなく、交渉制です。
ここからが白熱した戦いでした。
今回、同じタイミングで知人も入会を検討していたので、同時入会の割引がないか確認すると、あっさりと値引きされました。

2年契約 6,000元(約102,000円)→ 5,400元(約91,800円)
※一ヶ月あたり225元(約3,825円)
これでもかなり納得の価格でしたが、まだまだ行けそうな気がしたので、「もう少しなんとかならない?」と押してみたところ、会員期間の無料延長とおまけがついてきました。

2年契約+3ヶ月 6,000元(約102,000円)→ 5,400元(約91,800円)
※一ヶ月あたり200元(約3,400円)
【おまけ】
・プライベートレッスン1回無料(5,000円相当)
・ジムの自販機や自営オンラインショップで使えるポイント 600元分(約10,200円分)
・オリジナルブランドのカバン1つ
この後、おまけはいらないからその分安くならないかと粘ってみましたが、私たちにはこれが限界でした。
早期帰国の可能性があるので、念のために途中退会は可能か尋ねると「カウンターで一声かけてくれれば、残った月数で割って残高は返金しますよ。」とのこと。(これは後に「ほぼ不可能である」ことが判明するのですが・・・)
私も一応慎重な日本人。
「一度検討してまた連絡します」と伝えると、「今はキャンペーン中なので、この条件が適用されるのは今日までですよ。」と返ってきました。
そうそう、このセリフもこれまでの中国生活で何度も何度も聞かされてきました。
中国人セールスの常套句なのです。
思いつきで立ち寄ったスポーツジムに、入館後30分足らずで10万円近くの会員代金を支払うのも冷静な判断とはいえません。
支払いを渋っていると「では、デポジットを払ってくれれば条件をキープしますよ。」ということで、日本円で約3,000円ほどの前金を支払ってジムを後にしました。
一度払った金は絶対に返ってこないと思うべし
帰宅後、インターネットで「一兆偉徳ジム」の評判を調べてみると、利用者の評判は概ね良好です。
日本人在住者の多いエリアの2店舗の評価もまずまず。
(クチコミサイト「大众点评」より)
ところが、デポジットや途中退会の返金に関しては、店側と客側でかなりのいざこざがあるようで、ネット掲示板でも「一兆ジムでの返金に成功した人いる?」というトピックで、ジムと戦っては敗れた人々の嘆きの声が、次々と投稿されているではありませんか。
その中で唯一成功したと投稿していた人は「弁護士を連れて行き、1ヶ月間の戦いの末、ついに返金された!」という内容でした。
私のような、外国人が現金を受け取るなど、夢のまた夢の話でしょう。
このことを同時入会する予定の知人に伝えると、「中国語ペラペラの友達に真偽のほどを確認してもらう!」となりました。
そして後日明らかになったのは、途中退会で残った分の返金は、セールスマンに言われていたようにカウンターで一声かけるだけではダメで、本社のお客様センターに電話をした上で、審査が通れば返金される、というものでした。
つまり実質的には、一度支払ったお金はもう返ってこないと思っておいて間違いではないでしょう。
実は、この間にもセールスの担当者からしつこく連絡が入り、「いつ支払いに来るの?」「今月中に来て欲しい」「家まで決済に行ってあげるよ」と脅迫めいた連絡が入っており、入会をやめようかとも思いましたが、やめたところで他のアテもなかったので、結局はこのジムで入会を決めました。
使ってみれば快適!日本との違いは「タオル不要」
こうして、晴れて1年ぶりにトレーニーに復帰したわけですが、使い心地はかなり快適!
平日の夜はそれなりに人がいるものの、東京のジムのようにベンチプレスの取り合いになるようなこともなく、自分のペースでトレーニングができます。
ヨガや暗闇サイクリングなどのクラスレッスンも参加していますが、和気藹々とした雰囲気で、楽しみながら体を動かすことができています。
ベテランが多いヨガクラス(開始前の様子)
滝のような汗をかく暗闇サイクリング
中国のジムの一番の良さは、タオルが不要であること!
人件費の安い中国では清掃員があちこちに配置されていて、マシーンを使い終わればサササーッと清掃員が来て、マシーンについてしまった汗を拭き取ってくれます。
更衣室も専属の清掃員が常駐しているので、割と清潔な状態がキープされています。
中国のスポーツジムは、会費の交渉など面倒が多いといえば多いですが、逆に言えば自分で交渉した上での料金になるので、納得感は大きいです。
今回契約した2年3ヶ月の期間、このジムが潰れないことを切に願いつつ、筋トレに励みたいと思います。

